Cubase 13.0.30
更新内容
2024/03/21 公開のメンテナンスアップデートです。ユーザーインターフェースの改良、2 GB 以上のファイル容量に対応したプロジェクトファイルフォーマットの採用など、アプリケーション全体に渡って、多くの改良と不具合の改善を施しています。
ユーザーインターフェースの改良
Ver. 13.0.30 ではユーザーインターフェースをこれまでよりさらに改良し、視認性と全体のルック&フィールを向上しました。
主な改良は MixConsole とプロジェクトウィンドウのトラックリストです。白いフォントやアイコン、その他の画面要素が、暗色の背景により馴染むように、コントラストを下げました。また GUI 全体の統一性を増し、トラックやチャンネルを選択したときの使い勝手を向上。テキストとアイコンのカラー反転にもより一貫性を持たせました。
他にも、環境設定 > イベント表示 > トラック にて、プロジェクトウィンドウのトラック名のフォントを太字と標準から選べるようになりました。デフォルトはこれまで通り太字です。標準文字についてご感想がありましたら Steinberg までお寄せください。
プロジェクトファイルフォーマットの変更
Cubase の元々のファイルフォーマット (.cpr) では、容量が 2 GB 以上のプロジェクトは想定されていませんでした。技術の進歩した今日では ARA 対応や VST プラグインの複雑さにより、プロジェクトファイルに含まれるデータは増える一方ですが、このフォーマットではプロジェクトファイルのサイズが 2 GB を超えた場合、保存時に破損する可能性があります。実際にはこのようなケースは滅多にありません。
Cubase 13.0.30 では、より大容量のファイルを扱える新しいプロジェクトファイルフォーマットの採用を開始しました。これまでの (32-bit) フォーマットと新しい (64-bit) フォーマットを、Cubase が自動で判別します。もしファイル容量に 64-bit フォーマットを必要とする場合は、ダイアログで警告されます。
64-bit ファイルフォーマットは Cubase 13.0.30 以降でのみ対応し、13.0.20などのこれまでのバージョンや、Cubase 12 以前の世代では開くことができません。また、一度 64-bit で保存されたプロジェクトファイルを 32-bit に戻すこともできません。
より詳しい情報と、プロジェクトサイズを減らすためのコツは、以下の記事をご参照ください(英語)。
https://helpcenter.steinberg.de/hc/en-us/articles/16605644390546-Cubase-Nuendo-Invalid-project-after-saving
編集
再生中のズームで意図しない箇所にジャンプする不具合を改善
位相同期のワープを用いたオーディオクォンタイズの処理を高速化
VariAudio 編集の後にオーディオイベントが無音になる不具合を改善
トラックの読み込み
プロジェクトが「小節/拍」モードになっているときだけテンポトラックと拍子トラックを読み込めるように改良
トラック読み込み機能で拍子トラックの選択範囲だけ読み込めるように改良
トラック読み込み機能でテンポトラックの選択範囲だけ読み込めるように改良
全般
(Windows) Hub に Cubase 終了のボタンを設置
VST インストゥルメントにルートされた MIDI トラックでトラックインスペクターにオーディオのリターンフェーダーと MIDI フェーダーをの両方を表示するように改良
MixConsole 機能メニュー「すべてのスロットを表示」を取り除き、MixConsole のインサート、センド、Cue センド、ダイレクトルーティング、クイックコントロールや、トラック/チャンネルインスペクターのコンテクストメニューとして設置。この設定はグローバルに保存され、リンクされた MixConsole でも使用。下ゾーンでの MixConsole ではこのオプションは常に有効
Expressive E 社の MPE MIDI デバイス Osmose をノートエクスプレション入力デバイスとして使用可
WaveLab で書き込まれた埋め込みマーカーに基づき .wave ファイルからオーディオのオリジナルタイムを取得可能
VST インストゥルメントにベロシティ値が “1” のノートイベントを送る際の不具合を改善
インストゥルメントトラックのデバイスパネルの挙動を改善
(macOS) ダイレクトオフラインプロセシングウィンドウでプラグインや異なるクリップを選択した際のリサイズの挙動を改善
「名前の設定パターン」ダイアログでの「結果」エリアで属性の順序を変更した際の挙動を改善
ユーザーが作成したプロジェクトフォルダーを、プロジェクトを保存せず閉じた場合も維持
複数のトラックをフリーズする際、トラックの一つがイベントを含まない場合での不具合を改善
Beat Designer のユーザーパターンバンクのブラウズと読み込みが適切に行えるよう改善
Media ラックでの検索結果エリアでプリセットなどのメディアを選択し、プレビューセクションでボリューム変更などの操作を行った場合でも、メディアの選択状態が外れないように改善
メトロノーム設定ウィンドウのオーディオクリック出力の設定項目を改良
「ステップ」モードで入力した MIDI CC データが、後から「傾斜」モードで記録された場合も削減されないように変更
AmpSimulator プラグインでアンプモデルを正しく変更できるよう改善
VST MultiPanner が EuCon コントロールサーフェスで操作できるように改良
サンプルエディターのインスペクターで「セクションを1つずつ拡張」をオンにし、ツールをショートカットで選択した際の挙動を改良
サンプラートラックにインプットトランスフォーマーを搭載
MixConsole
インサートの Pre/Post フェーダーの分割線を表示されている最後のスロットの下に動かせるように再変更
メータータブの「マスター」と「ラウドネス」での CR ビューの表示状態を記憶し、Control Room タブに切り替えたときにはリセットするように変更
VCA フェーダーに接続したトラックの「ボリューム」パラメーターを正常に入力できるように改善
チャンネル設定ウィンドウに「常に前面に表示」オプションを復活
トラック/チャンネルのソロ専用モードの動作不具合を改善
ユーザーインターフェース
トラックの「タイムベースのミュージカルとリニアの切り替え」状態の視認性を改良
トラックリストでマルチアウトのインストゥルメントのリターンを選択した場合、チャンネルインスペクターのメインインストゥルメントチャンネルのかわりに特定のリターンチャンネルを表示するように改良
「VST インストゥルメントを編集」ボタンで、すでに開いている VSTi ウィンドウを閉じることもできるように改良
フォルダートラックの名前フォントが選択状態に応じて正しく反転するように改善
オートメーションレーンのパラメーターポップアップメニューで表示できる領域が少ない場合、重要な情報を抜粋して表示するように改良
メトロノーム設定ダイアログでのレイアウトの不具合を改善
フェーダーセクションのステレオパンナーの縦幅を拡大
MediaBay の検索結果リストのフォントサイズを拡大
安定性
以下における安定性を向上しました。
Cubase 12 など旧バージョンの Cubase プロジェクトを読み込む際
ダイレクトオフラインプロセシングで「タイムストレッチ」処理の追加を試みた際
AudioWarp 編集を元に戻す際
AudioWarp 編集を繰り返し行う際
RoomWorks プラグインをインサートしたトラックにインプレイスレンダリングを行う際
オーディオミックスダウンの書き出しで既存のオーディオファイルを上書きする際
VST System Link の使用時
外部 MIDI デバイスから SysEx データを記録する際
ウィンドウメニュー > ウィンドウ の「レイアウトをリセット」を使用する際